広島大学大学院 先進理工系科学研究科(工学系)
社会基盤環境工学プログラム
地球環境計画学研究室

Research

インフラストック効果に関する統計的因果探索手法の開発

地域間幹線道路は,経済活動を活発にするストック効果を期待して整備されますが,その効果を事後検証できる手法はありませんでした.この研究では線形非ガウス分布モデル(LiNGAM)手法を応用して,インフラストック効果を計測する手法の開発を行っています.

主な発表論文

  • 杉原 豪, 塚井 誠人, 統計的因果探索による社会基盤整備のストック効果の検証, 土木学会論文集D3(土木計画学), 75 巻, 6 号, p. I_583-I_589, 2019.

豪雨時の避難行動に関する研究

近年国内では豪雨災害が頻発しており,特に広島では豪雨災害と土砂災害が相乗的な被害をもたらす事態となっています.この研究は広島県が収集した豪雨災害被災者へのヒアリングデータに基づいて避難行動の特徴を分析すると同時に,豪雨災害の避難心理メカニズムの解明を目指しています.

主な発表論文

  • 中野 瑛登, 中野 紗希, 松本 拓樹, 中根 大輔, 山本 航, 塚井 誠人, 広島県における西日本豪雨災害の受け止め, 土木学会論文集B1(水工学), 75 巻, 1 号, p. 414-428, 2019.

地理情報の統計分析

国土数値情報などの地理的情報は,ビッグデータの中でも基礎をなす重要情報です.このテーマでは独自に開発した地理トピックモデルによって,地理情報の特徴を定量化します.この研究は地域のモニタリングに応用可能で,COVID19下の都市における人流集積地点の変化のモニタリング等にも活用予定です.

主な発表論文

  • Tsukai, M., Ohno, S. and Tsukano, Y.: Transition of Socio-Demographic Characteristics in Urban Areas by Applying a Topic Model to Small Area Units, Sustainability 14(2), 1010, 2022.

自動車のグローバルLCA

グローバルな視点から自動車のライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment:LCA)に関する研究を行っています.先進国の中古車が途上国でリユースされるグローバルリユースに着目し,その環境影響を評価するための方法論の開発に取り組んでいます.

主な発表論文

  • H. Oda, H. Noguchi, M. Fuse, Review of life cycle assessment for automobiles: A meta-analysis-based approach, Renewable and Sustainable Energy Reviews, 159:112214, 2022.

有害金属のグローバルMFA

水銀,鉛などの有害金属の国際的な管理を目指し,地球規模のマテリアルフロー分析(Material Flow Analysis:MFA)に関する研究を行っています.様々な形態で国間取引される有害金属を正確に追跡するために,貿易統計の不整合修正法の開発に取り組んでいます.

主な発表論文

  • M. Fuse, K. Tsunemi, Cross-border impacts of the restriction of hazardous substances: A perspective based on Japanese solders, Environmental Science & Technology, 47:9028-34, 2013.

水素社会のリスク評価

水素社会を支える水素サプライチェーンのリスク評価を行っています.水素輸送を中心に,ネットワーク理論を活用し,爆発・火災などの工学リスクにとどまらず,環境影響,経済影響,心理的影響も含めた社会総合リスクを提唱し,そのリスク評価手法の開発に取り組んでいます.

主な発表論文

  • H. Noguchi, T. Omachi, H. Seya, M. Fuse, A GIS-based risk assessment of hydrogen transport: Case study in Yokohama City, International Journal of Hydrogen Energy, 46(23): 12420-28, 2021.